フランチャイジーの要望に応えるための融資コンサルティング

FC契約において、フランチャイジーの資金需要の要望に対し、FC本部はどの程度の支援や融資コンサルティングを実施してくれるのでしょうか。

例えば、開業や店舗開設後にかかる資金を、フランチャイジーが単独で準備するのは困難な場合もあります。

フランチャイジーはFC契約の費用について、FC本部の援助体制を知っておくと良いでしょう。

今回は、フランチャイジーの要望に応えるFC本部の融資コンサルティングについてご紹介します。

 

 

 

フランチャイジーへの融資サポート

FC本部の中には、フランチャイジーが金融機関などから融資を受けるときにサポートしてくれるところもあります。

サポートの内容は、事業計画書作成や融資窓口の紹介、アドバイスなどの補助的なものです。

また、FC本部によっては、加盟希望者に金融支援制度を整備しているケースもあります。

具体的な例を挙げると、金融機関などの融資に対してFC本部が保証などのサポートを行う融資制度です。

他にも、ターンキー制度は投資から店作りまでFC本部が行い、フランチャイジーは鍵を受け取るとすぐ営業が開始できるものです。

社員独立制度では、FC本部の社員に対して、独立時の融資や開業資金免除を行います。

他にも、インターンシップ制度などでは、直営店でノウハウを学び、勤務期間の報酬を加盟金に充当できる制度です。

このように、フランチャイジーへのサポートは多岐にわたります。

 

 

 

 

 

フランチャイジーの主な開業資金融資

フランチャイジーの開業資金融資には、主にどのようなケースがあるのでしょうか。

ここでは、日本政策金融公庫とFC本部の融資をご紹介します。

 

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫は、事業に必要な資金を低金利で融資している、国の金融機関です。

融資制度は多岐に渡るため、FCに加盟したい旨を相談すると、最適なプランを提案してくれます。

申込書は決算書、企業概要書、身分証明書などのほか、資金使途や事業計画書、資産や負債がわかる書類が必要です。

日本政策金融公庫の融資では、添付書類の正確さや将来性、申込者の自己資金や意気込みが問われます。

融資の審査には時間がかかることも珍しくないため、実際に融資されるまで余裕をもって準備しておく必要があります。

 

FC本部から融資を受ける

FC本部は、資金不足のフランチャイジーに融資したり、加盟金を分割制にすることもあります。

例えば、大手コンビニエンスストアでは、契約時必要資金一部融資制度があります。

この制度を利用すると、開業資金(300万円)が半額(150万円)に免除され、その部分が融資の対象になるのです。

また、免除された融資額は「現金決済勘定」に計上し、自動融資の対象になります。

現金決済勘定とは、毎月の売上から返済額と利子が差し引かれる返済の仕組みです。

FC本部からの融資は、金融機関より比較的融資を受けやすいと考えられていますが、加盟店として経営を続けていくことが前提となっていることに着目しましょう。

 

 

 

創業融資を受ける際の注意点

フランチャイジーが創業融資を受ける際、FC加盟店特有の注意点があります。

ここでは、基本的な注意点をご紹介します。

 

FC加盟が有利とは限らない

創業融資では、FCへ加盟していることが有利になるとは限りません。

フランチャイジーは、FC本部のノウハウやサポートが受けられるため、創業融資に有利と考える方が多くいらっしゃいます。

しかし、審査担当者は大手FCの加盟有無ではなく、フランチャイジーの自己資金や事業計画、創業動機や経歴を重視します。

創業融資は、それらの情報を照らし合わせ、フランチャイジーがFC加盟の必然性や成功確率を説得できる場合に認められるものです。

 

開業資金が高額になる

FCに加盟する際は、加盟料や指導料、ロイヤリティなどの費用が1,000万円を超えることが多く、開業資金は高額になります。

創業融資を受ける際の基準は、自己資金と融資金額の合計が1,000万円未満です。

そのため、開業資金が1,000万円を超える額であったり、自己資金が少なかったりすると審査に通る可能性が低くなります。

一般的に、開業資金(1,500万円)の審査に通るには、その額の1/3以上(500万円)は自己資金でカバーすることが理想とされています。

 

FC本部の財務状況の確認

中小企業が展開するFC本部は、財務状況が不安定な可能性もあるため、必ず確認しなければなりません。

例えば、知名度が低く規模が小さいFC本部は、財務状況に問題があったり、本部が何らかの金融事故を起こしているケースもあるのです。

このような場合は、創業融資が通る可能性も非常に難しくなるでしょう。

そのため、創業融資の申し込みや契約前に、FC本部の財務状況がわかる資料(税務申告書)を確認することが重要です。

 

事業計画は慎重に作成する

創業融資の事業計画書は、売上や利益、借入金の返済について、堅実かつ慎重に作成することが大切です。

FC本部は、融資の申し込みに必要な損益シミュレーションを提供してくれることがあります。

しかし、このデータは業界平均を大幅に上回る数値になっているケースもあるため、確実な数値に見直す必要があります。

創業融資を受ける際、フランチャイジーは事業計画書の資金使途と返済財源について、根拠を説明できることも必須といえるでしょう。

 

 

まとめ

今回は、フランチャイジーの要望に応える、FC本部の融資コンサルティングについてご紹介しました。

FC本部の融資コンサルティングは、非常に有益なサポートになることがあります。

しかし、経営や融資に必要な事業計画、収支の根拠を説明できなければ、すべてにおいて他力本願であると判断されてしまうでしょう。

そのため、創業融資はFC加盟の有無にこだわり過ぎず、融資に対して真摯に向き合うことが大切です。

 

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